ヘナのペーストは長く寝かしたほうがよく染まるのか?
実験!ヘナの寝かし時間と白髪束染毛力の関係
今回の実験では、マハラニ・ヘナを使用した。ヘナの粉を水に溶かした直後はペーストはヘナの粉のように、緑っぽい色をしている(上の写真の左側)。こんな緑っぽいペーストがどうして白髪をオレンジっぽく染めるのかと疑問になってしまうほど。ところが同じペーストが丸1日経過すると完全に茶色に変色している(上の写真の右側)。これは、ヘナの緑色の粉の中に含まれるローソニア色素が展開したためだ。この変色の仕組みを、科学的にどう説明できるのかについて、実はまったく知らない。ただ、ヘナの粉を水に溶かした時点から時間を追うごとにペーストが茶色っぽさを帯びてくることだけは経験的に確かな事実。つまり、白髪をオレンジっぽく染める色の元が発色してきているのがわかる。24時間も経過すると、茶色がピークで、恐らく発色の限界点に達するだろうと思われる。
ヘナペーストを寝かせたほうが染まりがよい?…ヘナの寝かし時間と染毛力の関係を実験
時間が経過するとヘナのペーストが茶色味を帯びてくる。昔からヘナは一晩寝かせといって、一晩寝かせて馴染ませてから使用する。そうしたほうがローソニア色素が十分に展開し染まりがいいと理解していた。今回は、人毛白髪束を使って、ヘナペーストの寝かし時間と染毛力の関係を人毛白髪束を使って実験してみたところ、意外な結果が出てきた。
まず、前置きとして、これはあくまで人毛白髪束を使った実験であるということ、つまり理論的にこうなるということで、実際に人の頭に生えている白髪を染めた場合ではないという前提として、見てもらうとして、実験の結果を説明をします。
1 ヘナを溶かしてすぐに1時間浸け置き
2 ヘナを溶かして30分後に1時間浸け置き
3 ヘナを溶かして1時間後に1時間浸け置き
4 ヘナを溶かして2時間後に1時間浸け置き
5 ヘナを溶かして3時間後に1時間浸け置き
6 ヘナを溶かして4時間後に一時間浸け置き
7 ヘナを溶かして8時間後に一時間浸け置き
「白髪束」では、ヘナペーストを寝かせようが寝かせまいが染毛力に関係なかった!
一番左と一番右の白髪束を比べることで、今回の実験の結果がよくわかります。一番右の7番は、ヘナを水に溶かして8時間寝かせたものに白髪束を1時間浸け置いた結果です。これは昔から言われているように「ヘナは一晩寝かせ」てヘナした結果です。それに対し、一番左の1番は、ヘナを水に溶かし、一切馴染ませる、寝かせることなく、溶かしてすぐに白髪束を投入、一時間後に引き上げて洗い流した結果なんです。1番と7番、その両極端のやり方で、白髪束の染まり具合に何の違いも出なかった!そのことを確認するために1番と7番を並べて撮影してみました。下の写真です。よく見比べてみてください。
染毛には、色素以外の要因があるかもしれない…
ヘナの良し悪しを、色素量によって推し量る場合がある。ローソニア色素が○%以上含有されているので、よいヘナだと、そういうキャッチで言われることがある。ただ、まはの経験として、それは必ずしもそうではない。 実は検査結果で3%以上と驚異的なローソニア色素量をマークしたヘナと、1%程度のローソニア色素量のヘナとで、染毛実験をしたところ、顕著な違いがなかったため、その当時は首をかしげたまま、その疑問はいまだ解けていない。
そして、ここにきて、さらにまはの常識を覆すような実験結果がでてきてしまった。「ヘナは寝かせてから髪に塗る」と昔から言われてきたことをオウムのようにお伝えし、まはもそれを疑うことなく実践してきたが、最近、まてよと、実験のつもりでヘナを溶かしてすぐに髪にぬっているが、まはの白髪の染毛に大きな違いがないことに気がついた。それが今回の実験をするきっかけになったわけなんだが、まはの予想通りというか、意外な結果になってしまった。このことをどう理解したらいいのか、いまださっぱりわからない。
実験結果からの仮説:ヘナの染毛力、着色力は含有されるローソニア色素だけが決め手ではないかもしれない。
今後、この仮説のもとに、さらにいくつか、実験を繰り返してみようと思っています。それにしても、たかがヘナ、されどヘナという感じ。もう何年もヘナを練りながら実験を繰り返しているが、実験すればするほど、わからないことが出てくる。
- ヘナの実験