インディゴ

インディゴにオイルを加えると、染色力が増すか、落ちるか?

ヘナ前のオイル頭皮マッサージの伝統のやり方を徹底検証「ヘナにオイルをたくさん混ぜるとヘナの染色力が落ちる?」での実験結果から、ヘナの染色力はオイルが多くても影響を受けないようであることがわかりました。ではインディゴの染色力はオイルによってどう影響を受けるでしょうか?オイルによってインディゴが染色力が増す?弱まる?、あるいはまったく関係ない?ということで、今回はインディゴにオイルを混ぜて人毛白髪束の染毛テストを行いました。

インディゴ(木藍・ナンバンアイ)にオイルを加えると、染色力が増すか、落ちるか?

水溶き=マハラニ・インディゴ1に、水2(体積・計量スプーンで測定)を加え溶かしたものに人毛白髪束を1時間浸けおいた

水溶き+オイル=マハラニ・インディゴ1に、水2を加え溶かし、インディゴの半分の体積のマハラニヘアケアオイルを加え、よくかき混ぜたものに人毛白髪束を1時間浸けおいた

実験では、マハラニ・インディゴを使用。オイルとしてはマハラニ・ヘアケアオイルを混ぜてインディゴの染色力を実験しました。 実験方法としては、インディゴ1(体積)に対し、その2倍の体積の水を足して水溶きし、よくかき混ぜ、上の写真の右側、「水溶き+オイル」は、水溶きしたものに、マハラニヘアケアオイルを、インディゴの体積の半分の量をさらに足して、よくかき混ぜ、そこに人毛白髪束を1時間浸けおいて、染まり具合の実験を行いました。

オイルで頭皮マッサージ後、ヘナしても染まりに影響はなかった。それでは、オイルで頭皮マッサージ後、インディゴやヘナ+インディゴすると、白髪染まりにどう影響するか?

この実験で想定しているのは、頭皮に油がついた状態で、インディゴ、あるいはヘナ+インディゴをした場合です。たとえば、ヘナ前にたっぷりのオイルなどで、頭皮マッサージをし、そこにヘナをします。ヘナをお湯洗いで流した後、髪は頭皮マッサージの際に使用したオイルでしっとりしている状態が想定の1。さらに、ヘナ+インディゴなどの、一回で白髪染めを行うタイプで、ヘナ+インディゴの前に、オイルで頭皮マッサージをした後、髪を洗うことなく、オイルが頭皮と髪に付着している状態で、ヘナ+インディゴをした場合、白髪の染毛にどう影響をあたえるかを想定して実験を行いました。

インディゴ(木藍・ナンバンアイ)の染色力はオイルに弱い!

インディゴの染色力はオイルに弱い!

右の、「水溶き+オイル」は、洗い流した後、当然ながら、オイルでべたついていた。そのため、なかなか乾かず、そこで、石鹸成分の高いハーブ・ムクロジ リタで、油分を落とし、再度、自然乾燥させた。

参考
無添加天然の石鹸ハーブ・ムクロジ リタ<動画>

オイルは水と分離しやすく、上に浮きやすい。オイルを混ぜたほうは、上のほうが薄くにしか染まらなかった!

上の写真、右側、「水溶き+オイル」は、白髪束の上のほうが顕著に薄い。理由は、恐らく、オイルは上のほうに向かって水と分離する性質があり、今回も、よくかき混ぜたものの、じょじょにオイルが上にむかって分離しただろうということ、そして、上のほうにじょじょに集まってきたオイルがインディゴの染色力を妨げたのではないか、だから、オイルを混ぜたほうはオイルが多かった上のほうが特に薄かったのではないかなといことが考えられる。今回の溶かし方では、つまり、インディゴ1の体積の2倍の水を混ぜた場合は、どちらかというとリキッド状に緩いインディゴペーストができた。そこにインディゴの体積の半分のオイルを加え、よくかき混ぜるたものの、緩いインディゴペーストでは、なんとなくオイルが浮いてくるような感じがした。それが、染まりの上と下の違いとなってはっきりと結果として出てきたのだと思う。

また、「水溶き+オイル」の下のほうも、右の「水溶き」と比較して、顕著に薄かった。つまり、オイルによってインディゴの染色力は妨げられていることがわかった。

水溶性のインディカンが酵素によってインドキシルに変化、さらに酸化して不溶性のインディゴ色素に変化する(聞きかじりの理論)、というインディゴの染色の仕組みとかかわりがある?

藍染に詳しい人に一度、仕組みを聞いてみたいとは思うけども、まはが聞きかじった話しによれば、インディゴには通常の状態では、たとえば、2007年8月収穫の特撰インディゴの粉末のままの状態では、インディゴの色素はない。粉は緑色をしており、このどこに藍色の色素があるの?って感じにしか見えません。で、この藍色が出来るには……

インディゴ粉末に含まれるインディカンとかいう無色の成分が、水にとけ、インディゴ粉末に含まれる酵素によってインディキシルが生成され、そのインディキシルが空気にふれ酸化することで、不溶性のインディゴ色素に変化するという仕組みだそうです。一度、不溶性のインディゴ色素に変化してしまったら、そのままではものを染色する力はなくなるため、藍染の世界では不溶性のインディゴ色素の塊であるインディゴケーキを手間隙かけて再び水溶性に戻しながら藍染をしているという話し。

ヘアケアの白髪染めでは、白髪の上で、髪の上に水溶性のインディゴをつけ、髪の上でインディゴを生成させ、そこで、染毛するという方法をとる。つまり水溶性のインディカンや酵素が水に溶けている間に、髪に浸透させ、髪の毛の中でインディカンを生成させ、のち酸化によって不溶性のインディゴに変化してもらうことで、白髪が染まると、そんなことなのだが、もし、そこで、油が何かの事情で混ざっていると、たとえば、髪に油がたくさんしみこんでいたりすると、水と油の関係でインディカンや酵素が髪に浸透しにくくなり、それで染色力が落ちるのではないかな?と、考えています。

ヘナと違って、インディゴはオイルに弱い

仕組みについては、これは、化学的なことなので、まはにははっきりと説明することは難しいですが、今回の実験では、オイルはインディゴの染毛力を妨げるようであることがわかってきた。ひょっとしたら、何か、ちょっとしたことで、仮にオイルがインディゴと一緒に使用されても問題ない、といったこともあるのかもしれないが、今の段階では、「インディゴはオイルに弱い」という結論。

インディゴ染め、ヘナ+インディゴの前にオイルは使用しない。もし髪に油分があるようであれば、リタ、シカカイなどで髪を洗い油分を落とすこと

この結論からすると、ヘナの後に、インディゴで後染めする場合、あるいは、ヘナ+インディゴで一回で白髪染めをする場合、髪が油でベトベトしているような状態は好ましくない。万が一、かなり油っぽい場合は、油分解力が高いリタやシカカイなどで、髪から油分を落とし、さっぱりとさせてから、インディゴする、あるいは、ヘナ+インディゴをするといいでしょう。

特にリタは、インドの草木自然染めの世界では、染色の前に素材を洗うために使用された

インドの草木自然染めは、かつては世界にその名を知られたほど。現在は、さまざまな事情で、衰退し、その伝統は細々とあるにすぎない。インドの草木染めに詳しい友人によれば、バズマという方法で、ものを焼き、灰を作り、そこから色素を抽出したり、とにかく自然界のありとあらゆるものからさまざまな色素を作り出す技術において、非常にすぐれているのだそうだ。このインドの自然染めの世界では、リタによって染色する対象を洗浄すると、大変によく染まると、そういうことでリタ洗浄がよく行われてきたそうだ。リタは余計な油分を取り除き、繊維を開くために、色素が入りやすくなるそうだ。

特にインディゴで白髪を綺麗に、より暗めに染めたい方は、一度、リタで髪洗髪してからインディゴ染め、あるいはヘナ+インディゴをされるといいでしょう。また、この方法ですと、髪から髪に必要な油分が落ちますので、インディゴ後、あるいはヘナ+インディゴ後、良質な油分などを髪に補給する必要があるでしょう。

それにしても不思議に思うのは、ヘナ。。。。ヘナの染毛の仕組みはインディゴのそれとはまるきり違うようだ。ヘナの場合は、オイルをたくさん混ぜても、少しも染毛力が落ちなかった・・・いったいどんな仕組みでそうなのか?どなたかの化学的な解明を期待したいところです。

参考記事
ヘナ前のオイル頭皮マッサージの伝統のやり方を徹底検証「ヘナにオイルをたくさん混ぜるとヘナの染色力が落ちる?」


インディゴ/木藍
酸、オイル、ハーブ

ヘナ遊