書評・生態系としての皮膚の科学「傷はぜったいに消毒するな」
「傷はぜったいに消毒するな」という衝撃的なタイトルの本は必読書
まは: まはは、以前から怪我をしても消毒液というものはできるだけ使わないようにしてきた。幸い、大怪我はせずにここまできたが、でも、たまに手に切り傷を作ることはある。そんなときは、むやみに消毒薬などは使用せず、包帯も最低限で、ただ止血して、そのままにしてきた。何もしなくてもいつも問題なく治ってきている。だから、ちょっとばかり火傷したとか、手に傷を造った程度では消毒薬などは一切使用しない。ただ、最近、うちの子供が手にひどい火傷をしてお医者様で消毒して治療したが、これはどうなんだろうと疑問に感じていた。 ひどい火傷の場合、あるいは、ひどく切り傷をしたときとかね、そんなときにはどうなるんだろうとか、ちょっと想像してみたときに、そうだなーーと、そこで、『傷』『消毒』で検索してみて、一冊の本を発見。早速、購入して読んだところ、納得。ぜひ、皆さんにも読んでいただきたいと思います。
- 著者のサイト
- 新しい創傷治療「消毒とガーゼ」の撲滅を目指して
生態系としての皮膚の科学
まは: 本書は、著者が医者であるだけあって、実に明快にわかりやすく解説されている。 しかも、臨床的に実証されているのだ。つまり、皮膚の専門家として、現在の皮膚の治療がおかしいと気がつき、自分なりに火傷や傷をどうやったら治療できるかの治療方法を科学的に追求していったら、消毒はまったく理にかなっていないことがわかったということであり、しかも、問題が実に厄介なのは、ほとんどの病院では、理にかなっていないことを何も考えることなく、いまも日々、実践されているという、そのことにある。
現代の迷信
まは: 現代医学の分野ですら、科学的に理にかなっていないにもかかわらず、傷には消毒と、消毒万能のように行われている。実は、消毒とは、農業に例えると農薬のようなものだ。害虫が発生しているからと、ひたすら農薬を使用しつづけたら、どうなるか、考えてみたらいいと思う。そのときだけは、あるいは最初だけは具合がいいが、持続可能な方法ではない。傷に消毒もまるで同じような方法だということを、本書では科学的な説明で理解できると思います。
本書の著者は髪をシャンプーや石鹸で洗わないという。皮膚に石鹸やシャンプー類は使用に適さないという、その科学的な説明
まは: 人間の体の体表には、常在菌が存在している。この常在菌は、人の体表を覆い、まるでシールド、保護幕のように作用し、有害な細菌などの侵入を防いでおり、人間の免疫機構の末端は皮膚であり、それは常在菌との共生関係を保つなかで維持されている。つまり、皮膚は皮脂と水分を発生させ、常在菌に栄養を供給し、常在菌はいわゆるバイ菌が侵入しようとした場合に体表において撃退してくれる。特に人の髪、頭皮は皮脂や水分が豊富に分泌され、常在菌が多く発生する。それだけ、人間にとっても重要な箇所なんだろうと想像される。ところが、石鹸やシャンプー類などの薬品を使用すると、常在菌が消毒され、常在菌というシールドが破壊され、体表は一騎にバイ菌だらけになってしまうのだ。具体的には、毎日、髪を洗わないと髪が痒くなったり臭くなったりする。これはバイ菌が発生している状態で、石鹸やシャンプーなどで消毒し過ぎなのです。
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