ジェスタマッド(リコリス)：傷口を癒す

LIQUARICE学名：GLYCERRHIZA GLABRA ＜まは訳：ドクター・ジェインのハーブブックより＞

ジェシタマッドの木の枝を乾燥させた状態。このまま、煮出すと、ジェシタマッドの煎じ薬となる。粉末の場合は、煮出し安いが、少し粉っぽくなる。

咳止めのアーユルヴェーダ・喉によいハーブ・ジェスタマッド（リコリス）やアドゥルサ

アタルバアーユルヴェーダ・イェシティマドゥオイル（ジェシタマッド＝リコリスが主成分）

ジェスタマッドは古代より使われてきた。ヒポクラテスは、ジェスタマッドのことを、咳や胃腸のトラブルにとてもよい薬だと言っている。その甘い味には、冷却作用があり、スキンケアをはじめ、健康を保つための薬草、脳活性化の薬草としても使われる。ジェスタマッドは、傷みを和らげ、炎症を抑え、傷を癒す作用がある。このジェスタマッドについて、忘れることができない出来事があった。

実話：傷口を癒すジェスタマッド(リコリス)

あるジャイナ教の聖地での出来事。その聖地には、ある年配の女性（マイジ）が住んでいて、村人たちが、いろいろな病気治療のために彼女を訪れていた。たまたま、彼女が住む家の前庭に座っていたところ、現地の民が、一人の男を、担ぎこんでくるのを目撃した。男は痛みのため、悲鳴をあげていた。見れば、かかとのところに、数センチの傷口がぱっくりと口をあけている。木の枝か何かを突き刺したに違いない。私は、その傷口を見たときに、「病院で縫ったほうがいい。すぐに近くの診療所に連れて行きなさい」と言ったところ、村人たちにあっさりと断られた。「マイジが塗り薬を塗ってくれたら、この傷もすぐに治るんです！」

しばらくすると、その女性、マイジが、何か暖かい、湿布のようなものをもってきて、それで傷口を押さえて覆い被せた。私は、こんなやり方だと、感染症や破傷風や敗血症が心配だと思ったいたのです。しかし、村人たちは、マイジに一礼すると、満足して帰っていったのです。それを見ていた私は、いったいあの湿布のようなものが何だったのか、好奇心を押さえることができなくなりました。それで、私は、マイジの部屋にいき、彼女に、傷口に使ったものについて、聞いたのです。すると、彼女は、ジェシタマッドの粉の入った入れ物を私に見せたのです。「この粉末をギーと一緒に温めて、傷口につけておくのです」

私は、この治療方法にとても懐疑的でした。だから、その男性が、毎日、塗り薬を新たに塗ってもらいにくる際に、傷口がどう治っていくのかを観察していました。私は、翌日、あの男性が来るとき、その傷口が腐敗してひどいことになっているに違いないと確信していたのです。ただ、４～５日後に、その男性の傷口を見たとき、なんと、ほとんど治りかけていたのです。そのとき、私はわけがわからなくなりました。これは、あのジェスタマッドがよかったのか？あるいは、マイジがよかったのか？それとも、村人の体の抵抗力が並外れたものだったのか？

戦場で傷ついた戦士をギーで癒す

あるとき、インドの歴史小説を読んでいるとき、マラタ時代の、シバジ・マハラジは、家の前に、ギーをたくさん入れた容器を置いていたと記載されている。戦場で傷ついた戦士がいると、そのギーが戦士たちに塗られた。そして、そのギーは、紛れもない、このジェスタマッドと一緒に温められていたに違いない。

＜まは訳：ドクター・ジェインのハーブブックより＞

リコリス、ジェスタマッドは、家庭常備ハーブ

まは注：ジェスタマッドは、リコリスの名でよく知られている。リコリスは甘茶とも呼ばれているようだが、これをお茶にして飲むと、大変に喉によく、咳止め作用が高いのは、まはも経験済みで、万が一の風邪とか、咳が止まらないとか、喘息発作、などのときに、このリコリスを用意しておくと、とても助かる。子供が咳き込んで、寝れなくなったときには、必ずジェスタマッドの煎じ薬をすすらせる。適量のお湯をわかし、そこにジェスタマッドを適量落とし、しばらく煎じる。そして、それを冷蔵庫などに保管しておいて、小匙１づつ、小まめに小まめに口にすすらせると、咳がかなり軽くなるので、子供も夜よく寝てくれるから、助かっている。もちろん、大人が咳き込んで、夜中に寝れなくなってしまうような場合、このリコリスを、とにかく、一日中、少しづつ少しづつ、ちびちびと口に含んで、やっていると、夜には、咳がかなり軽減されるのが体験済みなんです。リコリス、ジェスタマッドは、家庭常備ハーブとも言えるでしょう。