カチュールスガンディとはバンウコン.南インド・ケララ産が極上

カチュールスガンディとは

カチュールスガンディは、学名をKaempferia galangaといい、和名はバンウコン。インドでは高温多湿の南インドに産出し、ケララ産が極上。

＜訳＞カチュールスガンディの根を乾燥させると、一種特有の芳香がただよう。粉末にされると、一層芳香がただよい、ウブタン（インド流スキンケア）として使用される。これが髪に使用されると、毛根を刺激し、血行を促進するために、髪の成長が早まり、また、フケなどを減らし、シラミなどを取り除く。このパウダーを風呂に浮かべて入浴すれば、肉体労働で汗臭くなった体臭が取り除かれる。

この芳香性があるハーブは、たいへんに人気を博した。海外からの需要の高まりとともに、インド国内での価格が高まってしまった。ただし、大量生産として栽培されることが困難なハーブであるために、需要と供給のバランスが崩れているために、いまだ高値のままである。（ジェイン先生のハーブブックより、まは拙訳）

カチュールスガンディとカチュールカプリ（カプールカチュリ）

カチュールスガンディとよく似ていて、実に紛らわしい植物に、カチュールカプリ、ないし、カプールカチュリと呼ばれる植物がある。この植物は学名をHedychium spicatumといい、和名としてサンナなどと呼ばれている。北インド、中国など、高地に産出する。

伝統的には、インドでは、カチュールスガンディもカチュールカプリも、スキンケア、ヘアケアではあまり区別なく使用されてきた。実際のところ、ほとんど同様の植物として扱われ、同様の目的で使用されてきた。カチュールカプリのほうが、収量が多く広く出回っていたため、カチュールスガンディもカチュールカプリとして扱われてきたという歴史がある。

「カチュールスガンディ」はジェイン先生によって命名された造語

ところが、いまから２０年ほど前、ジェイン先生が、カチュールカプリと一緒にされてきたカチュールスガンディを初めて、「カチュールスガンディ」と命名して区別して呼び、いまでは、インド全土にて、あるいは全世界にて、「カチュールスガンディ」という言葉が通じるようになったそうだ。

香り、効能の点で優れている「カチュールスガンディ」をカチュールカプールと区別するために「カチュールスガンディ」と命名

以前には、「カチュールスガンディ」という名前は存在しなかったが、香りにおいても、効能においても、スキンケアやヘアケアにおいては優れている南インド産のカチュールスガンディを、それと同じに扱われている植物、カチュールカプリの名前にちなんで、「カチュールスガンディ」と命名したのがジェイン先生だったというわけだ。

ジェイン先生によれば、いわゆるカチュールカプリ全体からみると、カチュールスガンディは生産量としては１割もあるかどうか…それくらいに量的には希少だ。また、一般的に、使用されるときには、両方は区別なく配合され使用されるが、本来は、香りの点でも、効能の点でも、南インド・ケララ産のカチュールスガンディは比較にならないほど優れているが、香りも似ており、効能も似ているために、カチュールスガンディとカチュールカプリは一緒にされ、いっしょくたに取引されることが多かったとのこと。

ところが、このカチュールスガンディは「カチュールスガンディ」として広く知られるようになるにつれ、その希少価値から価格が高騰し、いまでは、カチュールスガンディはカチュールカプリの価格の５倍程度で取引されているとういう。しかし、全体の生産量が少ないために、カチュールスガンディ自体を確保することが難しくなりつつあり、それが頭痛の種だという。価格の高騰する南インド産のカチュールスガンディとは対照的に、カチュールカプリは、価格の安い中国産！のカプールカチュリが市場に出回っているため、安価に容易入手できる。さらには、カチュールカプリもカチュールスガンディも、乾燥根の状態にしてしまうとなかなか区別がしにくいため、カチュールカプリをカチュールスガンディとして売る人たちまで出てきているという。