ヘナ畑はまるで死んだように眠りにつく…
2014年3月25日ヘナの産地からレポート
熱波の到来で、風が吹けば砂埃があがる、、乾燥が厳しくなると、ヘナは眠りにつく
ヘナの産地は、いよいよ暑くなってきた。連日35度、夜間は熱帯夜、昼間の実効湿度は、10%を切っている、、、湿度計は10%からメモリが始まっているのだが、メモリの刻みがない10%未満に振り下がってしまっているため、正確にわからない。恐らく、体感的に汗をまったくかけない5%程度の湿度ではないのか?と思える今日この頃、ヘナ畑を訪れてみた。
世界に名前が知れわたるヘナの産地ソジャットに暑い夏が訪れた。日本の夏のイメージとはまるで違う。何が違うのかというと、ソジャットの夏は乾燥の夏だ。すべてのものが干からびていく。ソジャットに長期滞在すると気が付くのだが、ここでは食べ物はカビにくいというか、食べ物がカビたのを見たことがない。カビるまえに、干からびる。これがソジャット。乾燥しているために、カビの菌が眠ってしまっているのだろう。何しろ、湿度が極端に低い土地だから。
ヘナ畑で写真を撮っていると、ほら来た、元気な子供達がワイワイガヤガヤ。今日は学校が休みのようだ。
今年、このヘナ畑では3回収穫が行われた。ヘナとしては、もっとも染毛力がよい雨期明け9月に最初の収穫。しかし、収穫の直後に、雨が本格的な突然振り出し、雨季に戻ってしまった。ヘナの葉は収穫の後、雨が降ると、収穫された葉が大気中の湿気を吸い込んで、一揆に劣化し茶色の葉に(真下の写真)なってしまう。収穫直後、緑緑していたヘナの乾燥葉がこんな状態になってしまった。一度、茶色の葉の状態になってしまうと、もうもとには戻らず、粉にしても、茶色の粉になる。染まることは染まるが、頭にのせた場合、臭みのかなり強いヘナとなる。
これが今年の大問題だった。ヘナの産地では、収穫が60%~程度完了した時点で、雨季に戻ってしまい、産地のヘナの葉の年間出荷量の60%が上の写真のように、茶色の二級三級のヘナの葉になってしまったのだ。これを粉末にすると、見事に茶色のヘナ粉末となり、溶かして髪に塗れば臭くてたまらない。
幸いなことに、収穫途中に雨が猛烈に降り出した際、まだ40%弱のヘナは未収穫で地面にたったままだった。今回はこの、残されたヘナから良質なものを探すという、実に大変な作業をこなしていかなければならず、ヘナの葉の選択だけで、余裕に1ヶ月以上はかかる長丁場。。。一級品のヘナの葉はこんな感じ……。
ヘナの粉の品質をどうこう言う場合があるが、ヘナは粉になる直前はヘナの葉。。。このヘナの葉の見極めが最も大事。この状態でよしあしを即座に見極めることが高品質のヘナを獲得する第一歩である。一旦、粉になってしまうと、どうやって判断していいのか、がわからない。粉になってしまっているため、品質の判別が概観からはさっぱりわからず、最初の段階の目利きもできない。きっと、検査場にでも出して、ローソニア色素量を検出してもらう、そんな検査に出して1週間程度、待ってから判別するとか?そんな話になってしまうし、そもそも、何かの混ぜ物が施されていても、見た目からはまったく判別が付かないのだ。
それに対し、ヘナの葉の状態だと、混ぜ物があれば、すぐに判別できるし、葉の形状、肉厚度、色、匂い、触感など、五感をつかって、ヘナの色素のよしあしの選別ができる。こうして最初に五感をつかって選別されたもののなかから、実際に粉にして、染毛テストを行い、さらにベストなものを選別する、、これで完璧……こうして産まれるのが、ヘナ石臼挽きだ。
ヘナ石臼挽きは、まはの五感を使い、さらに白髪束の染毛テストを使っての検査も行い、まはの頭でも使用テストを行っている、さらにさらに重金属などの検査を検査場にて行って、その上で、まはの目の前で、石臼で挽いてもらっているのです。混ぜ者一切なし、最高のヘナだと、文字通り、自分で言い切れるヘナの誕生です。
ヘナの切り株をよく見てみると、まだ葉があった!
ぱっと見、ヘナ畑は茶色一色だが、なんと、よく近づいて切り株をみてみると、葉が残っていた!こんなカラカラの気候でも、葉をつけている。しかし、本格的に夏が始まり、気温が40度を超えるとき、ヘナは葉をすべて落とし、完全に死んだかのように眠りにつく……そう、恵みの雨が7月に降り始めるまで。。。お休み、ヘナ畑。それでは、8月にまた様子を見に来るから、それまで御機嫌よう。