ヘナを溶かし、使用前にペースト状態で寝かし時間はどの程度がよいか？

ヘナは一晩寝かすのが良いか？それとも当日に塗るのがよいのか？

１は、ヘナをお湯（熱湯不可）で溶かして、すぐに一時間、人毛白髪束を浸け置いて染毛力を計測した。、一番染まりがよかったが、それはヘナのペーストの温度が最初、高温であったためであると考えている。

２は、ヘナをお湯（熱湯不可）で溶かして１時間後、常温に戻ったヘナペーストに、人毛白髪束を１時間浸け置いて染毛力を計測した。

３は、ヘナをお湯（熱湯不可）で溶かして、一晩寝かせ、翌日、人毛白髪束を１時間浸け置いて染毛力を計測した。

４は、ヘナをお湯（熱湯不可）で溶かた２日後、人毛白髪束を１時間浸け置いて染毛力を計測した。

５は、ヘナをお湯（熱湯不可）で溶かた３日後、人毛白髪束を１時間浸け置いて染毛力を計測した。

仮結論：溶かした直後～当日が最も染毛力が高いだろう。

今回のテストでは、インドで昔から言われているように「ヘナは溶かしてから一晩寝かしてから使う」のが、実際に本当なのかどうかを実験してみたが、今回の実験結果からは、昔から言われている「ヘナは一晩寝かしてから使用する」がベストではないことがわかる。当日に１時間染めた２番は、１日後に染めた３番よりもわずかだが濃く染まっている。溶かして１時間後に染めたほうが翌日に染めるよりもわずかに濃い染まりということだ。

じゃ、昔の人が言っていたこと、「ヘナは溶かしてから一晩寝かしてから使う」は、間違っていたのだろうか？　可能性として、ヘナを生葉から使用する方法の場合のことを昔の人は言っていたのかもしれないと考えてもいる。ヘナはインドのあちこちに自生したり、あるいは生垣として植えられているが、こういった生のヘナの葉をつみとって使用する場合は、ヘナの生葉をつぶしてペーストにして、一晩寝かせてから使用する、ということだったのかもしれない。

ヘナはお湯（熱湯不可）に溶かして１時間～してから使う

もちろん、ヘナを溶かしてすぐにヘナを使用してもよい。これは、上の実験からも、溶かしてすぐに染まる結果が出ているが、溶かしてすぐに使いにくい理由がある。それは、ヘナのペーストがダマになり馴染むのに１時間程度かかるため、通常、ヘナは溶かしてから１時間くらいで使うのが最適と言えるでしょう。また、ヘナをお湯に溶かしてすぐに使いたい場合は、以下のページを参考にするといいでしょう。フランス料理、ベシャメルソース（ホワイトソース）をダマにしないように作る方法と同じように、ヘナを溶かすことで、ダマになりにくくペーストにしたら、溶かしてからすぐに使えます。

参考記事

ダマになりにくいヘナの溶かし方フランス料理風（動画実演解説付き）

余談：ヘナに含有される赤オレンジ色の色素である「ローソニア色素」の質について

余談が実は、奥が深い話しになってしまう。ヘナに詳しくない人は、ここから先は読まないでいいでしょう。何が奥が深いのかというと、ヘナの染毛力の要である「ローソニア」と呼ばれる色素（以下、ローソニア色素）と、その染毛力の関係についての考察だからだ。上の図では、ローソニアは、ヘナをペーストにした翌日、１日後の、３番の段階でフルに展開する。当然、ヘナのペーストは最も赤味を帯びている。いわゆるローソニアカラーであるヘナの赤オレンジ色がフルに展開しているからで、ローソニアがフルに展開している状態だから、当然、３番が染まりが一番いいと予想してしまうが、実際は、ローソニアが完全に展開していない１番、２番が最も染まりが濃かった。ヘナを溶かして直後と、１時間後が最も染まりが濃い。これは、重要な意味をもっている。ここで写真と図をもう一度、よく見てみよう。

ヘナのペーストの４番あたりは、実は、ヘナのローソニア色素の色の深まり方と関係している。 ヘナのペーストの色４番は、実は、１番、２番の白髪束の染まりの色とほぼ同じである。 で、白髪束の１番、２番は、最初、ヘナを洗い流したときは、ペーストの色の２番のような色の発色していて、それが、翌日になると、３番のように発色し、３日後には、なんとなく、４番のように発色していた。それが写真に納まっている状態。この白髪束は、あとしばらくすると、さらに濃く、５番のように発色してくるのだと思う。つまり、ペーストの色は、もろにローソニア色素の色の展開の様子を示している。ただ、ローソニア色素が実際に展開しきってしまった４番、５番の状態では、ローソニア色素に変質が発生し、髪を染める力が弱っていると考えられる。