質シカカイで髪のくせ毛もさらさらのするっする?なぜ?
なぜ、シカカイで髪を洗うと、髪がするするのサラッサラになるんだろう?くせ毛も、シカカイの使い方で、扱いやすく、さらさらになる・・・・どうしてだろう?昔、ある西洋人の女性が、ドレッドヘアにしていて・・・髪が絡んでいるというか、絡めるヘアスタイル・・・。彼女がこのドレッドを解きたいというので、シカカイのエキスでトリートメントをすすめたところ、それで、いい感じにほどけてきたという。からみあうドレッドヘアも解けるようにしてしまうハーブがシカカイなのだ。ちなみに、ドレッドヘアの人たちはあんまり頭を洗わない・・・。ほとんど洗わないのかな?それでも、意外と痒くなったり、ふけが出たり、自分では不快感があまりないらしい。
シカカイには、天然の石鹸成分サポニンが含まれている
シカカイには、天然の石鹸成分サポニンが含まれている、ことだけはわかっている。天然の植物には、サポニンが含まれているものが意外と多い。これを洗浄に使うということなんだ。ただ、シカカイの効果は、それだけでは、どうも説明がつきにくい部分がある。それで、ハーブに詳しいジェインさんに聞いてみた・・・・
なぜ、シカカイは、洗髪に使用すると、こんなによい感じに仕上がるんでしょうね?何か、その仕組みをご存知です?何かの研究があるとか?
ジェイン氏: 私の知る限り、そういう研究はないです。誰かが研究しているかもしれませんが、今のところ、シカカイの作用について、あるいは、その仕組みについては、はっきりとはわかっていません。ただ、インドでは昔からずっと使われ続けてきたこと、実際は、石鹸がやってくるまでは、多くの人がこのシカカイを使いつづけてきたことだけは確かです。
まは: 同じサポニンが含まれているものとして、リタがありますが、リタではダメなんですね。リタを使うと、やや髪が軋むことがあります。リタには、サポニンがかなり多く含まれているし、たぶん、リタのサポニンが強すぎるのかな?とも思うんです。
ジェイン氏: リタのサポニンの特徴は、いわゆるゴールドスミス(金を製造する職人たち)が、鋳造された金を洗うのに、代々、リタを使い続けてきたことからもわかるかもしれないです。リタのサポニンは強力です。リタで洗うことで、金がよく光るわけです。ところが、これをシカカイで洗浄したらリタで洗浄したようには光りません。この性質は、ヘアケアにあっては、まったく逆です。髪はシカカイで洗うと光るけども、リタで洗うと、光らない・・・油が取れすぎてしまってキシキシしてしまうかもしれない。シカカイのサポニンはマイルドサポニンといえるかもしれないです。
シカカイで髪のくせ毛もさらさらのするっする?なぜ?
まは: なるほど、だから、リタはスキンケアには使われてこなかった・・・強すぎるから、肌から油が取れすぎて、逆に肌をいためてしまうかもしれないですよね、リタは。それに対し、シカカイはお肌の洗浄にも使われてきた・・・・。しかし、なぜ、シカカイで髪があんなにもするするになるんだろう?マイルドってことなら、リタを薄めてやれば、あるいは、石鹸を薄めて洗えば同じかもしれないはずなのに・・・そんな研究をした人はいないんですよね?
ジェイン氏: おそらく、そういう研究はないでしょう。ヘナにしても、似た様なものかもしれないです。ヘナでわかっているのは、ヘナには、トリートメント効果があること、と、まぁ、白髪が染まる・・・程度のことです。ヘナはシカカイよりはかなり研究されているほうで、インド政府の工業規格で、よいヘナの定義というものがあり、そこには、ローソン色素が何%以上、含まれているとよいヘナであるとか、水分は何%以下で・・・・・でも、これをすべてクリアしたところで、それがよいヘナであるとは言い切れない部分があります。実際に使ってみないと、わからない・・・昨年収穫されたヘナが、なぜ、あそこまで粘って、そのどこがよいのかを、科学的な数字で示すことはできません。それは、自分で練ってみて使ってみてはじめてわかる・・・・
シカカイは、昔から使ってきた・・だから、よいってことだけ・・
まは: ハーブな世界では、数字や研究では説明しきれないことが多すぎる・・・・。一ついえることは、昔から使ってきました・・だから、よいです、ってことだけ・・・。あるいは、自分で使ってみて、うん!よかったってこと。数字で割り切れないのがハーブの世界・・・・。いま、まはが向かっているパソコンは、ほとんど数字の世界。ある意味、無機質。延々と演算を繰り返し、足し算引き算、掛け算割り算を正確にこなしている。数字の始末を始末をしっかりとつけないと、パソコンはダウンしてしまう・・・・。数字で説明しきれないといけない世界なんですよね。それに対して、有機的な世界、ハーブの世界、それは人間も同じです。有機体の世界では、単に計算で割り切れるものばかりではない・・・そんなことを考えていたときに、まはは、ふっと、ふうちゃんがママのお腹の中にいるときのことを思い出した。予定日より、2週間遅れたころ、慌てて産婦人科に行ったら、とにかく、超音波を見てきなさいと、超音波技師のところに送られた。インドでは、産婦人科医と超音波技師は別人。超音波クリニックでは、年の頃、30前後の恰幅のいいキャリアウーマンタイプのてきぱきとした女性が待っていた。彼女は超音波を見ながら、そこに映し出されるふうちゃんの頭の外周直径を計っていたんだけど、ああ、これは、帝王切開ね、といともたやすく診断してくれた。理由は頭が大きいから、産道は通れませんと・・・、そういう理由だった。まぁ、そのときのことは、 出産という賭け・予定日超過23日のお話 を参考にしてもらうとして、まはは、いまでもこのキャリアウーマン風、超音波技師のことを思い出すと、悲しくなる。彼女は、人間を数字で割り切ろうとしてるからだ。そこには、何の不思議さもない・・・
昔の人は不思議さを不思議なままにしておいた
まは: ヘナやシカカイ、ハーブがなぜ効くのか?のメカニズムについて、昔の人は言葉少ない。経典を紐解けば、ヘナにはこんな性質がある、シカカイにはあんな性質があり、だからこんなときにいい、ときわめて実務的、プラクティカルな指示書だけを残したが、それぞれのハーブについて突っ込んだ解説などはあまり見当たらない。もちろん、ヘナにはローソン色素が含まれているから、髪が染まる・・といった、ことなどが書かれているわけがない。
まは: 中国でこんなことがあったと、聞いたことがある。昔、中国に、水墨画の大家がいた。ときの王様が、その大家にむかって、竹林の水墨画を描いてほしいと頼んだところ、その大家は、竹林に向かった。それから、大家は、延々と、来る日も来る日も、竹林のなかで時を過ごしていた。竹林で時をすごすだけだった。そのまま数ヶ月がたち、1年がたち、2年がたっていった・・・・あるとき、大家はすっと筆を取り上げると、あっという間に一枚の竹林の絵を描いた。その絵を見た王様は、息を呑んだという。
まは: 竹・・・それには節があって、中は空洞になっていて、根っこはこんな具合で、高くなればなるほどしなり、葉はこんな感じで、学名はこれこれで・・・・。こういう説明を延々と繰り返してたとしても、繰り返していけばいくほど、実は、竹そのものからどんどんと離れていってしまうことなのかもしれない。竹・・・竹の中に何年も住みつづけて、あるとき、すっと筆を拾い上げて描かれた一枚の水墨画・・・それには、竹、そのものが描かれていたに違いないと思う。まはにとって、昔の人がやりつづけてきたこと、それは、こんな水墨画的なことなんだ。それは、言葉にしえない不思議さ、そのものなんだと思う。