よいヘナとは……良質なヘナの定義

ここにまはが自分でテスト粉末したヘナの粉がある。これを眺めて色を見、匂いを嗅ぎ、ペーストにしてみて、また匂いを嗅ぎながら、粘り加減をテストし、自分の頭に実際に塗布してみて使用感を感じ、洗い流して髪へのトリートメント作用を確かめ、さらに白髪束にて染まり具合をチェックする……

ヘナをチェックするまは

こうして、まはにとってのよいヘナ、良質なヘナを仕分けていく。年によっては違うが、多い年は、50サンプル以上をチェックして、そのなかから数サンプルを選定する……こんな仕事がヘナの目利きです。

インド工業規格に高品質のヘナと呼ぶための定義がある。ヘナの色素量が何%以上で、繊維質、砂分が何%以下など規格がある。ただ、その規格をすべてクリアしたとしても、必ずしもそれがよいヘナとは限らない。そもそも定義自体は最低限の定義、規格に過ぎない。

まはが何を目利きしているのかをもう少し詳しく説明すると……

1)染毛力……ローソニア色素量2%以上を選別する

ヘナは白髪染めとして活用されるため、染毛力が最低でも2%以上あるものを選ぶ。初期テストは白髪束にて染毛力を検査する。こんな具合に……

ヘナの比較

現在、すでに10サンプルほど検査し、今年はどの地方のヘナにするかは、絞れてきています。

ちなみに色素量2%が閾値のように思います。色素量が2%を切ってくると、明らかに染まりが違うとわかってきます。色素量2%以上のものは染めた後、数日すると色が綺麗に赤っぽく発色してくる。2%が最低ラインで、高ければ高いほどいいのですが、天然の色素のため3%以上のものはまず難しいでしょう。

2)使用感が気持ちよいもの

使用感の気持ちよさには、まずヘナが臭くないことが大事です。収穫したてのヘナでも、産地によって、あるいは年度によって匂いが異なってききますので、できるだけ香りのよいヘナを選ぶことが使用感を向上させます。また、ヘナは頭皮に塗布するため経皮吸収され、それが体感的に一定の使用感を作り出しています。

ヘナの好転反応

たとえば、ヘナすると眠くなってきたりするように、ヘナには眠気を誘う、リラックスさせるような作用があり、こうした作用が心地よいものを実際に使用しながら体で体感して選定しています。

3)髪へのトリートメント作用が高いもの

ヘナは一般的に髪への良質なトリートメント作用がありますが、そのトリートメント作用によしあしもあるのです。これが一番微妙なところで、これは自分の髪に実際に使用して判断するしかありません。

4)ヘナの安全性……汚染物質がないこと

ヘナには農薬は不要ですが、たまに重金属に汚染されているヘナがありますので、これは製造前に必ず検査を実施し、万が一、重金属の自主基準値を超えるものがあれば排除します。

最後はやっぱりヘナ目利き人・まは自身がよいと思うヘナが高品質ヘナ!

ざっくりと、こうした自身のヘナに期待するものがあって、これを基準にしてヘナを選んでいるのです。よくヘナにランクがあるとか、うちのは高品質ヘナですと、こういう表現があるのですが、まはにしてみたら、やや曖昧に聞こえるのです。

まず、そもそも、ヘナの産地で、ヘナの葉にランクは一切ありません。誰もどのヘナの葉がどの程度よいヘナの葉なのかは、葉の段階では、ある程度の目星は付けることができますが、はっきりとわからないのです。はっきりわからないなか、買い付けて、さまざまか角度からテストしながら、これはいい、これはだめだと仕分けていくのがヘナ目利き人の仕事なのです。

ヘナの目利き20年

ヘナは染めるものですので、少なくても客観的に染める力は検査できるため、色素量2.6%などと明記することで染毛力については客観的に高品質を伝えることができます。汚染物質が検出されていないから高品質だとお伝えすることもできますが、それ以外の使用感やトリートメント作用などについては、それを客観的に数字にして、どうよいヘナなのかを伝えることはできない。だから、そこにまはのヘナ目利き人としての仕事があるのです。まは推薦ということで、それが信頼となり、高品質なヘナとしてマハラニヘナが日本に届けられていると、まは自身の推薦が高品質の証ということになっちゃいます。毎年毎年、ヘナを目利きし続けて20年。続ければ続けるほど、まだまだ発見がある……ヘナ目利きの仕事は実に面白く、何年やっても飽きませんし、毎年、ヘナの時期になると、毎日のようにヘナを頭の上に乗せながら興奮しているのです……「このヘナはいいぞ!」と。