インドでたった一台の商用ヘナ石臼
2013年1月15日ヘナの産地からレポート
かつては、ヘナを挽くのは石臼が主役だった。30年少し前までは。高速で機械粉末する設備が本格的に導入されると同時に石臼は捨てられた。機械粉末化装置では、一日に5トン以上、粉末化できるのに、昔ながらの石臼で一日2~300キロ程度……その能力の差は、トラックと牛車。しかも、石臼で挽くと、目が十分には細かくならない(実は本当はそれがいいのだが……)。
もっと昔は牛が石臼をまわしていた。少し前からモーターが石臼をまわすようになり、さらに高速化粉末化装置が入った。。。その発展に逆行するかのうように、とある工場の奥に捨てられていた石臼をもらいうけて、工場に設置した。
ヘナ石臼挽きの特徴:目が適度に粗く、丸い
これがヘナ石臼挽きの拡大写真。ヘナの葉を細かく引きちぎったように挽けている。そして、ところどころに、棒状のものが見える。これは、ヘナの葉の中の葉脈部分が残っている。いうなれば、こうした繊維質こそ、石臼挽きの証でもある。これを水に溶かすと、こんな感じ……
写真は常温の水に溶かして数分で撮影した。緑っぽかった粉が、すでに黄色味を帯びている。ヘナの葉に含まれているローソニア色素のオレンジ色が展開してきているからだ。粒子は粗めだが、ペーストはかなりネトっと、ぬめっている。ヘナの葉の葉液がにじみ出てきているからだ。まはは、これをヘナの命と呼んでいる。鮮度が高い間は、ヌメリがある。鮮度が低くなると、粘り気だけになってくる。
- マハラニヘナ石臼挽き