アーユルヴェーダとゴマ油
質問:サイトで、「オイルは温かくすることで吸収を良くします、人肌程度に温めますが決して直火にはかけないで下さい。コールドプレスのゴマ油は直火で温めるとせっかくの成分が壊れてしまいます。」と書いてあるのですが、もう少し詳しく教えてください。
まは:アーユルヴェーダの先生方は、ゴマ油を熱するときに、必ず湯煎で温めます。直火はかけない・・・これに深い意味があるのだと思っています。たぶん、強い直火で熱することで何かが破壊されてしまうからなのでは?・・と思います。
セサミオイル・・冷搾のゴマ油ということですが、これは100度以上には熱してはいけません。せっかく、加熱しないように、冷搾・・コールドプレスしているのですから、当然といえば当然ですが、理由は・・・まはもアーユルヴェーダの人から聞いた話から、まはなりに理解した仕組みを説明してみますね。
なんでも、最近の研究で、わかったそうなんですが、ゴマには、セサミンとかいう抗酸化物質が多く含まれており、これが、100度程度で熱し続けることで、かなり増えて、こうして処理したゴマ油の寿命は飛躍的に延びるのだそうです。もちろん、この抗酸化物質が人体にもよいわけなんですが、この抗酸化物質セサミンや、ゴマの何かの成分が100度以上の熱で破壊されてしまうようなんです。これについては、まは、科学的には確かでないんですが、セサミン以外の何かと関係しているかもしれないし、ただ、ゴマ油はどうも100度以上で加熱してはいけないようなんですね。
アーユルヴェーダでは、ゴマを100度以上に熱することはしなかったし、言い換えると、ゴマを水と一緒に煮ることで温度を100度あたりに保ちながら、何時間も熱して、しかも、ハーブのエキスをゴマに浸透させてオイルを製造したわけなんです。
そのやり方は、ハーブをまず水溶させます。ハーブを浸した水を煮ながら、ハーブのエキスを水に水溶させ、それを漉したものをゴマ油とあわせます。ゴマは油ですので、浮きます。下にはハーブ液が浸透したハーブの水があり、上にゴマ油があります。このままでは、ハーブの水溶液はゴマ油とは混ざりません。そこで、下から火でぐつぐつととろ火で煮るわけなんです。水がじょじょに蒸発していき・・・水が蒸発するので、釜の温度は100度に保たれるわけなんですね。そうして、すべて水が蒸発するあたりで火を止めます。こうして、水溶したハーブのエキスが油溶するわけなんですね。これが伝統的なやり方なんです。
インドでは、基本的に、こんな方法で・・手間隙がかかりますが、実にシンプルなアーユルヴェーダ製法で・・いろいろなバリエーションのオイルが作られてきたわけなんです。アーユルヴェーダの先生方が言うには、アーユルヴェーダ製法で作られたオイルは、寿命が大変に長いと。もちろん、できたてもいいし、何年かたっていても、とてもよいと・・・。それで、「じゃ、10年もちますか?」聞いたわけなんです。「アーユルヴェーダで作られたオイルには、何年と、そんな賞味期限というものはないですよ」と、そんなお返事で、まは、なるほどねーーと思ったんです。アーユルヴェーダの製薬室、伝統的な製薬室をのぞいたことがあるんですが、そこで、そのときに何をやっていたかというと、金を焼いた灰を練っていたんですね。練って、練って・・そしてそれをまた焼いて、寝かして、練って・・・これを5~6年繰り返しすんだそうです。そんな、気の長--い方法で作られる薬を使うアーユルヴェーダは、ほんとに高価な治療で、庶民には手がでず、マハラジャ(王様)だけの特権だったそうです。
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