ヘナの産地

ヘナの買い付け中!マハラニヘナ石臼挽きの染毛力比較

2016年11月13日ヘナの産地からレポート

ヘナ石臼挽きの粘り

ある産地より、テスト買い付けをしたヘナの葉とその粉末。香りよく、大変に良好な染毛力だった。

今年は並の作柄ながら、染毛力の高いヘナの産地(銘柄)を一つ発見

ヘナ染毛試験

毎年、多いときは100近くのヘナの葉のサンプルの試験をする。運がよいときは、昨年のように最初の1発でどんぴしゃ、狙い目の色素量のヘナにあたることもあれば、なかなか巡りあえないこともある。

ヘナ染毛試験

今年は、雨の関係で、全体的に収穫が遅れ気味だったため、テスト買い付けもかなり遅くなった。焦ったのは、テストで検査しているヘナの葉の染毛力がどれもこれも「並」か、「並」以下だった。。。

ヘナ染毛試験

インド、夜はじょじょに冷えてきて、20度以下になる。昼間も30度前後のため、実際の人の体温、36度程度の温度に一定に保ち、染毛試験をすることもある。

なかなか、ちょっとはよいかなーというのがなく、焦ったが、10番目にテスト買い付けした産地のものにこれはよい!という染毛力のものを発見!

ヘナの色素=ローソニア色素の推定量は2~3%。昨年の2.9%とよい勝負。

ヘナ石臼挽きの粘り

テスト買い付けでよい結果だったため、この銘柄を集中的に買い込んで行く。実際に、このテスト買い付け同様の染毛力になるかは、買い付けが完了して粉末化するまではわからないが、いままでの経験でいくと推定値前後に収まってくれている。場合によっては、去年のように、ここと決めたら産地に直接行ってもらって農民から直接買い取りすることもある。今年もそうなるかもしれない。

ヘナのトラック

買い付けたヘナの葉が工場に入荷。テスト買い付けといっても、1テスト1トン程度をテストで買って作柄を見る。山盛りに見えるのは、ヘナの葉であって粉ではないから。葉はかさばる。

ヘナのトラック

よいヘナの基本は、ヘナに含有されるローソニア色素の質、染毛力である

ヘナは、基本として染めるためのものだから、染める力が大事。繊維質が少ないとか、砂分が少ないとかは、使用感が向上する点で、繊維や砂分が少ないにこしたことはないが、ヘナの基本は、ヘナに含有されるローソニア色素の質、あるいはその強さだ。だから、産地にて、買い付けの段階から染毛力を毛束などで何度もチェックし、さらに独自の検査を繰り返し、さらに最終段階ではローソニア色素検出検査でも色素量を確認していく。

繊維質を取り除けば高品質なヘナになるという誤解

ヘナの繊維質を取り除けば、それで高品質のヘナになるというようなことが言われているが、これは必ずしも正しくない。繊維質を取り除いていけば、繊維質が少ないことでより滑らかなペーストとなり使用感がよくなり、そういう意味では高品質といえるが、この繊維質の多い少ないはもともとのヘナに含有されるローソニア色素の質(ヘナの基本の質=染毛力)とは根本的に別の問題なのだ。

一般に言われるヘナの繊維質とは、繊維質には染毛力がない、ローソニア色素がないために、色素成分がない部分は確かに少ないほうがいいということだろう。そういう意味で、ヘナの葉の選別の第一行程と粉末化の後の最後の機械的なメッシュがけで、大半の繊維質は機械的に取り除かれているので、まはが製造するヘナでは、繊維質が染毛力を左右するような大きな問題になったことはなく、あくまで使用感の問題。

ヘナの原材料ヘナの葉にはランク付けは行われていない

ヘナにはランクがあるとか言われている場合もあるが、少なくても、ヘナの産地にて売買されているヘナの葉にランクといったものは付いていない。そもそも、ヘナは農作物のため、毎年安定しておらず、作柄は天候の関係でよかったり悪かったりする年があり不安定。ヘナ市場にて、ヘナの葉買い付けの際、実際にどれだけの色素量をもっているかなどの、ランクを判断することはできません。

だから、目利き人が長年の感で色素量を目利きして売買が行われている。ただし、目利きは完璧ではなくはずれることもしばしば。だから、まはなどが目利き人が選別したヘナの葉を、さらに現場でテスト買い付けをしてテストを行い、選別して買い付けていくといった大変な作業をやっている。

ヘナの目利き

写真は、ヘナ市場では知らぬ人はいないというほどの人物の、ヘナ目利き人ソハンラルジ氏。氏は日本のシーマさんの「頭から元気」という本にも登場している。彼はヘナの季節がはじまる数ヶ月前から、天候を見ながら作柄の予想をつけることができる。この道40年のベテランである。氏は、現在、インドのヘナ市場にある組合の会長を務めている。

トリートメント力、使用感のテスト中

ヘナの目利き

実はここが一番難しい。染毛力は客観的に毛束のテストでわかるし、これから検査に出して、ローソニア色素量を判定してもらうし、重金属の検査もする。色素量も重金属も実際の製造前に検査という形で客観的に判定できるものなのだが、トリートメント力、使用感は実際に使ってしかわからない。何回か使い込んでいくうちに、どの程度のトリートメント作用があるのか、とか、使用感(どの程度、リラックスをさせてくれるか?)などの判断がつく。これらのトリートメント作用や使用感の判定は本当に難しい。

こうした細かな苦労を重ねながら、納得がいくヘナを手に入れるまで現地で粘っている。要するに任せきりにできない性分のため。。


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