トリファラとはアムラ、ベハダ、ハルダの木の実の配合し、アーユルヴェーダで最も重要な薬の一つ
アーユルヴェーダ・ワゴリ大学の敷地内には、さまざまな植物が植えられている………正確には自然に生えているものや、植えたもの、両方があり、それが観察の対象にもなっている。アーユルヴェーダでは、この世に生えている植物にはすべて薬効なり、効能がある。そういう意味ではアーユルヴェーダには雑草は存在しないそうだ。今回は、ワゴリ大学のトリファラ農園を訪れた。トリファラとは、アーユルヴェーダでは最も重要な薬の一つとされ、アムラ、ベハダ、ハルダの、三種類の木の実の配合したもの。
ヒルダの乾燥実
ヒルダ(トリファラの一成分)一つでも、多くの病気を治すことができる。
トリファラに配合されている木の実の一つに、ヒルダがある。ヒルダは別名、ハルダ、ハリタキなどともいい、学名はChebulic Myrobalanで、日本にも伝えられている。あるアーユルヴェーダ医師によると、「私の先生(マスター)が、このハルダ一つの使い方で、多くの病を癒すことができる。だから、あなたは、ハルダの使い方をしっかりと学びなさい」と、そう教えられたという。もちろん、このマスターとは、ワゴリ大学の創始者マハラジである。
ヒルダ/ハルダ/ハリタキの木の実
現在、トリファラの原材料となるヒルダは野生のものが多いと聞く。元来、アーユルヴェーダの製薬の原材料となる薬草は、ワイディアとよばれるアーユルヴェーダ医師によってあちこちから収拾され患者に供されたものであり、今日の感覚でいえば、手間がかかるため、かなりの高級品と言える。アーユルヴェーダの薬草の多くが栽培の歴史が浅いため、突然、需要が増えても、供給が追いつかなくなってしまう場合もあるようだ。
ベハダの乾燥実
ベハダ
ベハダは成長すると、まさしく巨木となる。何度か、撮影を試みたが、たまたま目撃したベハダは背丈が高すぎて、見上げるように撮影しても、何の木かもわからないほど……。ましてや、木の実をつけているベハダの撮影は難しいといえるかもしれない。このベハダもほとんどが野生のものが使用され、一度、インドのライプールの森を訪れた際、ここでは現地の人たちが季節になると、森の中にはいり、ベハダの木の実を集めてきて、それで生計をたてているという話しを聞いたことがある。森の中は、野生の虎が徘徊しているため、現地人しか入ることができないという。ライプールの森は野生の虎の保護地区にも指定されているそうだ。
アムラの乾燥実
アムラ/アマラキ/アンマロク
ヘナ遊をご覧になっている皆さんにとっては、ベハダやヒルダは今一、どう使うのかイメージが湧かないと思いますが、どうです?アムラはご存知の方も多いし、実際に愛用されている人も多いはず。とくに髪にコシがない、髪のボリュームが少ない女性にとっては、髪にコシとハリをつけ、ボリュームをつけるハーブ。アムラはビタミンCが多く、ビタミンCのように摂取できるが、涼しくする性質があり、日本の冬場の摂取には工夫や注意が必要。また、日本の冬場の場合は、単体で摂取するよりも、トリファラとして、ベハダ、ハルダと一緒に、トリファラという整腸剤として、冷やす性質を中和した状態で摂取したほうがよいとされる。また、チャワンプラッシュという、インド伝統のサプリメント滋養強壮剤の主原材料としても活用されており、インド人が食事時に一緒に口にするピックル(漬物)にも使用され、毎日、食することで健康を維持し、糖尿病予防の性質もあるという。アムラはアーユルヴェーダでは欠かすことができないハーブであり、その用途は多岐にわたっている。
アムラ乾燥実(右上方向の写真)が黒ずんでいるのは、これは、収穫期、アムラの実の種を取り除くために、アムラの実(乾燥していない状態)を、さっと大ガマに煮立てた湯の中に湯通しし、湯通しすることで、実と種を取り除きやすくする。手で種を取り除き、その後、天日乾燥するため、黒ずんでしまう。なぜ、種を取り除くかというと、アムラの種は摂取してはいけないからだそうだ。アムラの果皮を種から分離するために、こうした大ガマの湯通しが必要になる。ただし、これはコストが安く、簡単に種と果皮を分離する方法で、実際には、火を通さず、人手を使って、果皮と種を分離する手間のかかる方法もある。こちらの方法で、乾燥粉末化したものは白っぽい薄茶のアムラ粉末になるが、湯通ししたアムラの実を粉末化すると茶色い粉末となる。もちろん、品質は湯通ししていないもののほうが上等です。
- トリファラの入手は
- 消化を助け便秘を解消、体内脂肪を減らす「トリファラ」
- 本格的にアーユルヴェーダを学びたい方は
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