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ハーブとペストと魔女狩りと

ペストにならない薬

マハの友人、ビラモさん。彼女はオーストリア人。オーストラリアでなく、ヨーロッパのオーストリアだ。彼女がインドにやってきた。すると、マハに口をあけという。彼女は、ティースプーンにちょっとの『謎の』液体をこぼして、それをマハの口に垂らした。不思議な味だった・・・・彼女のこれはなんだというと、「これを毎日数滴、飲んでいると、ペストにかからないのよ」と言う。

まは：「これでペストにかからないの！？」

ビラモさん：そう、インド旅行では、ちょっと心配なのね。数年前もペストが一部の国で流行したでしょ。だから、私は、中世からヨーロッパに伝わるハーブのワインビネガー漬けを持ってくるのよ。これは、免疫力をかなり高めるの・・・・」

まは：「でも、なんで、これがペストにいいってわかったの？」

４人の盗賊たちの薬

ビラモさん： 「私は、昔からハーブが大好きで、暇があると、面白そうなハーブ本を見つけては、それを読むのを楽しみにしていたの。あるとき、古いハーブの本を見ていたら、その中に、中世の泥棒たちが使用していたハーブについての話があった。それは、実際にあった話。ヨーロッパの中世といえば、もうペストと魔女狩りで有名ね。そのペストが大流行している時代に、４人の盗賊たちが、ペストが大流行している地区で盗賊をやっていたのだけど、彼らはかなり有名な盗賊団で、でも、ついに捕まってしまった。そのとき、裁判官が、『おまえ達は、全員、絞首刑だ。ただ、もし、我々の質問に答えたら、無罪放免としてやろう。お前たちは、ペストの大流行している地区で盗賊を働いていた。普通なら、おまえ達もとっくにペストにかかっているはず。いったい、どういう理由でおまえ達はペストにかからないのか、その秘密を教えたら、無罪放免とする』と言うと、もちろん、盗賊たちは絞首刑になるよりも、無罪放免になったほうがいい。それで白状したのが、さっき、マハの口に垂らしたエキスよ。ワインビネガーに、サルヴィ、ローズマリー、ペパーミント、アンジェリールート、チトゥワ（白ターメリック）を漬けて、漉したもの。その汁の作り方から、その飲み方まで、白状したというわけ。

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免疫力を高める

ビラモさん： 私は、今回、インドに来るに当たり、ペストがまた、流行するかもしれないし、免疫を相当高めてくれるこの盗賊たちのレシピで、エキスを作ったの。実際、この本では、『４人の盗賊たちの薬』と呼ばれていたわ。

ビラモさん： これが本当に効くかどうか？それは正直、私はわからない。まだ、ペストの大流行のなかで、このレシピを自分で体験したことがないから。でも、あとで、いろいろな古いハーブの書物を読んでいたら、必ず、このレシピか、これに大変似たレシピがペストによいと出てくる。

ビラモさん： 私は、いま、毎日、このレシピで出来たエキスを数滴飲んでいるけど、これは、ほんとうに素晴らしく免疫力を高める作用をすると感じているの。たとえば、風邪をひきそうになったら、このエキスを数滴、飲むと、鼻がずるずるしかかって、喉が痛くなっていても、しばらくすると、スーと引いていく。これが不思議。いままで、いろいろなハーブ、ハーブティーも試したけど、これほどはよくなかったわ。

魔女狩り

ビラモさん： もし、私が、中世に生きていて、そして、こんなレシピをやっていたら、魔女として疑われ、生きたまま焼かれてしまったのは、間違いないと思う。そんな中世から、現代にまで、伝えられた数少ないレシピだと思う。

ビラモさん： そもそもね、中世というのは、暗い時代。先日も、ハーブ感謝祭というのがあって、みんな教会へハーブを持って行って、それでそれを教会にささげ、ハーブに感謝するという催しがあって、私の母が、教会の牧師にちょっとした嫌味を言った。私の家族は私以上にハーブ好きで、あのハーブやこのハーブを大事に使っているの。その母が、牧師に、『本当のことを言いなさいよ』というようなことを遠巻きに言ったのね。本当のこととは、いまは教会はハーブ感謝祭みたいなことをしているけどね、昔、中世では、ハーブを使う女性は、教会が率先して『魔女』として火あぶりの刑に処してきたことを・・・・。

ビラモさん： ハーブの知識に詳しい女性たち、中世では、ペストも防ぐと言われているハーブのレシピをもたらした女性たちが、大勢、教会によって『魔女』として焼き殺された。いま、私は、ハーブとたくさん遊んでいるけど、暇があると、山や野原にいって、いろいろなハーブを摘むのが趣味よ。こういう女性たちが魔女だなんて、とっても思えない。だのに、なぜ、中世では、魔女として焼き殺されたか・・・・これをたまに、考えていたら、少しづつその理由がわかってきたの。

ビラモさん： たぶん、こんな感じではないかしらと思った。それはね、中世、ペストが大流行した。そのとき、あの盗賊団が使用していたレシピをハーブに詳しい女性たち（大抵は老婆）が、山や野原で薬草を摘み、それで薬を作って、みんなに配っていたのよ。それで、その女性たちは、民衆に尊敬されかかっていたが、牧師たちは、それを気にいらなかったの。尊敬されるのは牧師たちでなければならないし、しかも女が尊敬されるのは許せない・・・・

ビラモさん： 教会の牧師たちにとって、ペストの流行ということより、自分たちが尊敬されることのほうが重要だったのね。そういう女性たちに嫉妬して、彼女らたちを魔女として、悪魔と密通しているものとして、焼き殺した・・・でなければ、なぜ、そこまでの憎悪を、ペストに苦しむ民衆のために働く老婆たちに向ける必要があるかしら？

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現在も、違った形で魔女狩りは続いている

ビラモさん： 私は、状況は、現代でも、さほど、変わっていないと、実は最近、感じるようになったの。中世では、もっとシンプルで、気にいらなければ、何かの理由をつけて、殺してしまえばよかったのだけど、現代社会においては、そういう馬鹿な理由で、焼き殺すことなどはできない。その代わりに、もっと違う方法を使っているのだわ、と先日、気が付いた。それは・・・

私は、日本の先生から、レイキを習ったの。レイキは素晴らしいわ。オーストリアでも、レイキは、あっという間に人気になって、大勢の人が、レイキを始めた。でも、しばらくすると、法律ができて、レイキは、治療行為にあたるために、医師の資格を持った医者しか行えないとされてしまった。この法律のおかげで、まるでレイキは、オーストリアでは封印された形になってしまったの。医者がレイキを行うわけないでしょ。彼らは薬と手術を行うのが主。なのに、医者でなければレイキをやってはいけない・・・・そんな馬鹿な・・・・。でもそうなのね。オーストリアの医師会というのは、偏屈な古い体質で、新しいものをまったく寄せ付けないことで有名。彼らの治療方法というのは、とにかく薬と手術。また、これが彼らの豊かな生活の種になっているし、社会的な地位にもなっている。レイキは、彼らのそんな地位と生活を脅かすものとして、医師会が強く政治に働きかけ、そういう条例ができたわけ。これが中世だったら、レイキを行うものは『魔女』として、焼き殺されていたに違いないと思う。

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ビラモさんが教えてくれた「四人の盗賊のペストのためのレシピ」

良質のワインビネガーー1L

SALVIーー60g

ROSEMARYーー60g

PEPPERMINTーー60g

ANGELIECA ROOTーー10g

ZITWER ROOT(WHITE TARMERIC)ーー10g

良質のワインビネガー１Ｌを、ガラスの容器に入れ、SALVI ROSEMARY PEPPERMINT ANGELIECA ROOT ZITWER ROOTをそのガラス容器に入れて、太陽の日があたるところで、２週間ほど放置し、そのあと、茶漉しで漉して、採れたエキスを毎日、数滴づつ摂取するんだそうです。これが、ペストにいい！し、「免疫力を高めてくれる」と、ビラモさんは教えてくれた