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2014/3/30 現地レポート

虎が生息する森の、完熟シカカイの実＜２０１４＞

虎の棲む野生の森には壮大な自然が残されている

この森には昔から虎が住むという。野生のでかい虎が棲んでいるのだと。。。ただ、最近はほとんどみかけないという、人間が進出してくるにつれ、昼間は山の上のほうに身を潜めているからだと。だが、夜になると、虎は山から下りてきて餌を探す。家畜が狙われる。森の王者として、当然の権利かもしれないが、だから、村人は夜は決して外に出ないという。ある村人は、最近、夜に虎を見たという。まだ、子供の虎で、襲われることはなかったが、地元の言葉で、通訳を介しての会話だったので、詳しくはわからないが、まさに見のすくむ体験だったに違いない。

これが、村人が虎森に入って、少しづつ拾い集めてきたシカカイの実。彼らは虎森には長居はしないという。シカカイの木がある場所を知っているので、ささっと山をあがってシカカイの木の下にゆき、短時間に集められるだけ集めて、すぐに降りてくる……これを毎日、繰り返しながら、少しづつためて集めたのだという。

緑色のサリーを着ているのが虎森の村人。白い袋の中に入っているのがシカカイの実で、彼女と彼女の家族がコツコツと拾い集めてきたという。

森には虎だけでなく、ヘビも潜んでいる。インドでは毒蛇が多く、毒蛇で命落とす人は後をたたない。だから、たかがシカカイの実拾いとはいえ、何がしかの危険が伴う作業だ。ここにこうして虎森のシカカイの実があるが、こうしたストーリーを知ると、ただのシカカイの実ながらも、俄然、ありがたみが出てくる。

村人が集めた虎森のシカカイの実、もらってきました！……これを皆さんにもうすぐお届けする予定。収拾したのホヤホヤ……まだ少し湿っているため、数日程度、天日乾燥する必要があります。シカカイの実の詰まった白い袋をインド式に頭の上にのせて運んでいるのがまはでございます。

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シカカイは、水の豊富な森に生る。

良質なシカカイの実が出る森には、湖があったり、大きな川が流れていたりする。恐らく、シカカイは水を好むのだろう。

森に入って、シカカイを撮影してみたが、虎とヘビが怖いので、少しだけ森に足を踏み入れたという感じだ。

シカカイは、インド中西部に真夏が到来する直前に、花を咲かせ、実をたくさんつける。数珠なりに実がなり、木の上で完熟して落ちてくる。

これが、シカカイの花。白く小さな花を咲かせる。白い花弁が落ちると、そこには、エンジ色の小さな小さなシカカイの実の赤ちゃんみたいなのが残っている。これが１ヶ月～で大人のシカカイの実に成長するのだ。

他の森では、シカカイを棒で落としたりするが、ここ、虎森では、棒は使わず、完熟したものだけを拾い集める。恐らく理由は虎だろうと思う。ここの森の住民は、虎を恐れるためか、森にあまり入りたがらない。入っても、ささっと出てくる。大声を出したり、物音をたてて、虎を刺激してはいけないのだ。完熟して落ちているシカカイの実だけを拾い集める。だから、虎森のシカカイの実は、完熟シカカイの実である。