ヘナの安全性

ヘナペーストにキラリと光る緑の斑点……これがヘナに混ぜる添加物ダイアモンドグリーン(着色料)!?

M○○社のヘナはやけに粉が綺麗な緑

M○○社のヘナはやけに粉が綺麗な緑………ちょっと不自然か?と、最初の印象だったが……

インドのヘナ

インドではM○○社はでかい企業らしい。香辛料を多く扱っているとか

まはがいる町に、アーユルヴェーダでは知る人ぞ知る、有名な店がある。ありとあらゆるアーユルヴェーダの製薬を扱っている。その店主は、なんでも、ヘナの産地、ラジャスタンのソジャットにヘナ農園を所有していて、そこで収穫されたヘナは大手の企業に卸されているのだという。今度、サンプルをもってくるから、試してみなさいという……。いや、その、自分も、現地ソジャットから最上のヘナを調達しているから、その、あの、別に……という間もなく、手渡されたのが、とある有名な大企業M○○社のヘナだった。M○○社とは、香辛料一般では知らない人がいないくらいにデカイ企業だそうで、その企業で出されているヘナはうちのヘナだと自慢したいんだろうか……と思ったりもしたが、とりあえず、せっかく試せともらったものだから、試してみたところ……まず、袋を開けたところ、なんとも色が緑すぎるな……不自然に緑っぽすぎるゾ…こ、これは、人工着色料なの??か?

添加物が施されたヘナ粉末

粉を太陽に照らし接写レンズで拡大してみると、なにやら緑っぽい斑点が映し出された

いろいろなヘナを試してきた経験から、M○○のヘナ粉末を見たときに、すぐに違和感を覚えた。やけに粉が綺麗な緑…まるで収穫したてのヘナを粉末にしたばかりのような色で、これはちょっと不自然と、最初の印象だった。粉を接写レンズで拡大してみると、なにやら緑っぽい斑点が映し出された。恐らく、なんらかの添加物……おそらく人工着色料……俗にいうダイアモンドグリーンの類が混ぜ込まれているに違いない。 インドでは、ヘナに最もよく使われる薬品で、当然、発ガン物質である。なんでも、インドの工業規格では、一定量は配合してはいけない物質として認定されているという。

早速、白い皿の上に粉を置き、上から水をたらすように落とし、かき混ぜたり、ゆすらないようにして、注意深く、そっと、そのまま数分おいて、太陽にかざして見ると、溶けきらなかった着色料があちこちに残っているのが確認できた。写真下の黒の矢印の先を観察してください。間違いなく何らかの着色料が添加されている。それも恐らく結構な量である。ヘナは水に溶けると、オレンジ色のローソニアに展開し、緑色がオレンジ系の色素に変色する。ところが、溶けきらなかった人工着色料は斑点状に残る。太陽にかざして、お日様の日に反射させることで、薬品がきらりと光る性質を利用して、なんとか確認できるが、実際は日陰では実に判別がつきにくい。

緑色の点

また、注意深く観察していると、赤茶の斑点のようなものも散見している。青色の矢印の先をよく見ていただきたい。赤茶はヘナの色素と似ているため、大変に判別が難しく、また、恐らく水溶性ですぐに溶けてしまうために、一層識別が難しいが、かろうじて、なんとなく違和感のある色の塊が判別できるような感じがする。もし、赤茶の色素だとしたら、恐らく、酸化染料の一種の可能性があるだろう。

人工着色料(恐らくダイアモンドグリーン)を添加されたヘナ

ダイアモンドグリーン)を添加されたヘナ

写真は、ヘナの葉を細かく砕いたものにダイアモンドグリーンと呼ばれる人工着色料を添加したものだ。どうみても薬品の緑である(正確には青っぽい。なんというかターコイズ的な色。青っぽい色を茶色っぽいヘナに足すことでヘナの粉末が緑っぽく見えるようになるのだろう。)。この葉を、普通のヘナの葉に適宜、混ぜこみながら粉末化することで、ヘナの粉末の見た目を、あたかも新鮮な色のみせかける。そう、見せかけだけの着色料なのです。なぜ、見せ掛けだけの着色料を使うかというと、古いヘナをあたかも新しいもののように見せかけたいわけなんです。。。。。

M○○社のヘナの粉末を接写レンズで拡大撮影してみたところ……

ヘナの粉末を接写レンズで拡大

上の写真の白枠を拡大してみると……

ヘナの粉末を接写レンズで拡大

くっきりと緑色の添加物が見える。これはダイアモンドグリーンと呼ばれる物質で、もちろん発ガン物質とされている。

人工染毛剤?

M○○社のヘナを水に溶かして唖然とした。すばらしく濃い赤茶がヘナからにじみ出てくる。これが本当だとしたら、相当な高品質のヘナ。しかしだ、そんなこと、ありえない。これは、ピクラミン酸特有の赤茶色。あらかじめの粉末のあたりのチェックで、ヘナの粉末がざらざらしているため、相当量の不純物が混ぜ込まれているのを確認しており、M○○社のヘナは、恐らく純粋なヘナの葉の成分は50%程度かそれ以下ではないかと思われるほどの粗悪な状態。本来のヘナが50%か、それ以下の状態で、赤茶の色がたくさん出てきたら、当然薬品の力によるしかありません。だから、恐らく、この赤茶色はなんらなの薬品ではあないかなーーと 漠然と考えたりしますが、自分が製造しているのではないので確証はありません。 しかし、それを知らずに使っている人にとっては、違いがわからない人にとっては、このM○○社のヘナはよく染まると、大変に質がよいヘナだわと、そういうことになるわけなんです。ヘナでよく染まっているはずの白髪が、可能性として何らかの染毛材によって染まっているとは気がつかないわけなんです。

まはのヘナは、「薬品ゼロ宣言」の工場で粉末化されている。工場にはヘナに添加されるような薬品は一切ない

まはが、まはのヘナの粉末化を委託している工場では、いくら頼まれても、こういった薬品の添加は一切行わないという。「薬品ゼロ宣言」をしている工場だからこそ、まはも安心して粉末化を依頼している。工場にはそもそも、薬品類が一切ない。使いもしない。なぜ工場では一切薬品類を添加しないかというと、その理由は自分たちの健康に悪いからだそうだ。

薬品を添加しながら粉末化すると、ヘナの粉末と一緒に薬品が浮遊し、発ガン性物質を吸引してしまい、自分たちに健康被害が発生する。だから、一切薬品は添加しない工場にしたという

人工の着色料にしても、酸化染料(ヘアダイ成分)にしても薬品を添加しながら粉末化すると、当然、ヘナの粉と一緒に薬品も空中を浮遊し、それを自分たちが吸引し、健康被害が出てしまうため、薬品を一切使用しないと薬品ゼロ宣言をしたという。依頼があっても、当社は一切、薬品は使用しませんと断っているという。ただ、現状は、いまだ、こうした薬品添加をしている工場は少なくなく、薬品添加しながらヘナを粉末化している工場にいるだけで各種の薬品を吸引することになり、自分たちの健康を害するし、命を縮めると……。少しばかりの見た目のために人工着色料を添加したり、染毛力を補うために酸化染料を添加するが、それはそれを消費する人たちにも害を及ぼすだけじゃないと、長い目でみたら自分たちにとっても大変に危険なのだと、そういう話を、工場主が話してくれた。

ヘナに添加される薬品は着色料と酸化染料

ヘナに添加される薬品としては、見た目を緑っぽくする着色料や、さらに染毛力を補うための酸化染料なども添加されます。PPD(ジアミン)などが配合されている場合は、これは目視で発見するのが難しいですが、白い皿の上に、黒っぽい斑点があらわれることがあり、これはPPD(ジアミン)でしょう。さらに赤茶系に発色するピクラミン酸などの場合は発見するのが困難です。

薬品だけではない!ヘナには自然のものも添加される

今回、このM○○社のヘナ、こうしたヘナは恐らくインドでももっともよく流通しているタイプのヘナだと思われるが、この粉末をよく観察していると、かなり粗目であることがわかる。この粗目である理由は、粉末装置で荒目にひいているのではなく、ヘナの葉以外の部分や、恐らく、ヘナ以外の植物の繊維が一定度混ぜ込まれているために、粉末自体に粗さが出ているように思える。実際には、まはが製造してはいないので、何をどうしているかはわかりませんが、可能性としては、ヘナの葉以外の、枝の部分も相当含まれているようです。これはヘナの枝の部分をできるだけ取り除かない、ヘナの葉と枝を消極的に選別する……あまり選別しないことで一緒に粉末化してしまうことで、重みを出すという、一般的に行われていることです。さらに、積極的に混ぜ込む場合は、大変に目が細かく手に触った程度ではわからないような川砂(一種のムルタニミッティのようなもの)や、牛糞、ケズリやカッシアといった植物などなど、特に今年、2009年のようなヘナ不作時には、自然由来のさまざまな混ぜ物が施されるのが通常です。 ヘナの葉以外の部分で重みをつけると、当然、染毛力が少しづつ弱りますので、なんらかの酸化染料を添加したりする場合が多いようです。日本の企業が出している製品は恐らく問題ないかと思いますが、インド国内に流通しているヘナは、インド国内向けにコストを極力下げる必要があり、そのために薬品もさまざまと添加されている可能性がありますので、おすすめできません。


ヘナの安全性

インドではヘナに対する安全意識は高いとはいえません。昔から使っていたから使っている、、よく染まるほうがいいので、多少の薬品が入っていても、特に気にすることはしない。。。ヘナに期待しているものが特に安全性ではないのです。

ヘナ遊