ヘナ遊トップヘナ実験室

アカシアカテキューをヘナ+インディゴに配合した際の染毛力

アカシアカテキューはヘナ+インディゴ5の染まりを弱める

茶色の色素が含まれるアカシアカテキューというハーブは、ヘナに混ぜて使用されることがある。このアカシカカテキューをヘナ+インディゴに混ぜて染毛実験を行った。

茶色の色素が含まれるアカシアカテキューの樹皮の粉末は「パーン(食後の消化薬)」に使用される。

キール/アカシアカテキュー

当地インドで、キールと呼ばれている植物がある。実際には、ちょっと発音しずらいのだが、ケィール、キュィールといった感じに聞こえる。日本人には、ちょっと発音しずらい。ラテン名でいうと、アカシアカテキューという植物で、これはインドでのもっともポピュラーな使い方は、『パーン』という、食後に消化薬としてしばらく噛むものなのだが、、、ちょっとこれはインドの文化。このパーンというものの中に、アカシアカテキューが使われている。もちろん、消化促進のためのハーブとして、さらに、アカシアカテキューは止血作用に優れているため、歯磨き粉末に配合され、歯茎を強化し、口内出血を抑え、歯が強くなり口が洗浄される…ということで、これがパーンに入れられているのだが、このカテキューには茶色の色素が含まれており………実は、インドの街には、よく茶色の汚れが落ちている………つまり、これはカテキューを含むパーンをつばのように吐き出した茶色っぽい痕跡が街のあちこちに見られるが、これもインドの食習慣(毎食後にパーンを噛む)によるものだということだ。

イスラム教徒たちは、ヘナにアカシアカテキューを混ぜる

インドでは、一部の人たちが、このアカシアカテキューをヘナに混ぜて使うという伝統があると聞いた。理由はアカシアカテキューには茶色の色素が含まれており、濃く染まるからだという。産地では、要望に応じて、アカシカカテキューを一定度、混ぜたものをヘナとして製造する場合があるという。その要望主は主にイスラム教徒だという。

日本のある会社も、このアカシカカテキューをヘナやインディゴ関連製品に配合しているそうだが……

アカシアカテキューがヘナの染まりを濃くするという話しを聞き、以前、一回、アカシアカテキューをヘナに混ぜて染まりを実験してみたことがあるが、結果は、アカシアカテキューは、ヘナの染まりを濃くすることはなかった………。だから、アカシアカテキューを色が濃くなるということでヘナと一緒に使用する理由がまったく理解できなかったことがある。

で、ここにきて、日本のある会社がアカシアカテキューをヘナとインディゴを配合した製品に使用しているというので、それではということで、ヘナとインディゴにアカシアカテキューを混ぜ込んで、染まりを実験してみた。ヘナとインディゴの比率は1:1の等分、つまり、ヘナ+インディゴ5のダークブラウンに、今回は実に適当に、アカシカカテキューの粉末を落として、たぶん、ヘナ+インディゴ5の10%くらいの分量を落として白髪束で染まりを実験してみたところ………

アカシアカテキューはヘナ+インディゴ5の染まりを弱める

アカシアカテキューはヘナ+インディゴ5の染まりを弱める

結果はご覧のとおり。。。。アカシアカテキューはヘナ+インディゴ5の染まりを弱めてしまう。 上の写真の右側のC,白いままの白髪束は、このアカシアカテキューだけで染めてみたものだが、白いままでまったく染まっていない。アカシアカテキューに含まれる茶色の色素は色が茶色というだけで、毛髪への着色力はまったくないのだ。

この実験から言えることは、アカシアカテキューはインディゴの染まりを弱めるだろうということ。以前、ヘナに適量のカテキューを混ぜたところ、何の影響もなかった。染まりが濃くなることも薄くなることもなかったので、アカシアカテキューはヘナの染まりには、何の影響もないのかと、実験をやめてしまったが………アカシアカテキューがヘナの染まりに影響する実験結果はなかったので、今回、ヘナ+インディゴ5で染まりが弱くなったのは、主にインディゴの染毛力がアカシアカテキューによって妨げられたからだと容易に想像できる。次回は、実際に、インディゴとカテキューの組合せの実験をしてみるつもり。

恐らく、アカシアカテキューはメンディアートにおいて、皮膚の上の色を濃く染めるのだろう……

ヘナのヘアケアにおける使用方法と、メンディアートにおける使用方法は、実は、かなり異なる。メンディアートにおいて、濃く染めるための方法と、ヘアケアにおける濃く染める方法とが、入り乱れて混同されている。それが、このアカシアカテキューについても言えるのだろうと思う。

イスラム教徒は伝統的にメンディアート(ヘナで体に模様を描く)愛好者

そもそも、アカシアカテキューをヘナに混ぜるのを好むのはイスラム教徒だという。そういえば、イスラム教徒たちは、伝統的にメンディアートといって、ヘナで手足や体に模様を描くが、ヘナを髪にはあまり使用しないはずだ。さらにもっと言ってしまうと、イスラム教徒は、特に古くて腐ったようなヘナを好むという話しをよく聞く。産地で新もののヘナを求めて、毎年、新しく収穫されたヘナにこだわっているまはは、それがヘアケア使用だからだが、そんな新しいヘナを高値で買っていく人があるかと思うと、その傍らで、売れ残りの、特に古いヘナを、これもまた逆に高値で買いあさっていく業者がいるとよく聞かされた。昔は、なんで、あんなに古くて臭いヘナがすきなのか、理解できなかったのだが、そもそも、使用目的がまったく違っていたということが後になってわかった。

特に古いヘナを好むイスラム教徒たちは、ヘナをメンディアートに使用するからであって、メンディアートでは新しいヘナはどちらかというとあまり好まれない。場合によっては、とりわけ古いヘナを好む。そういうイスラム教徒たちがアカシアカテキューを使用するということは、これも、また、メンディアート用ではないかと考えている。次回、メンディアートをアカシアカテキュー入りのヘナで試してみようと考えている。





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