↑写真上は草木の葉を粉末にし、この薬品を混ぜることで、ヘナよりヘナらしく染めるヘナ!?を作ることができてしまう……写真が、そんな魔法の薬品、ピクラミン酸。低コストヘナを作るには欠かすことができない薬品。
↑写真上は草木の枝を粉末にし、この薬品を混ぜることで、ヘナよりヘナらしく緑色に見せるための人工着色料「ダイアモンドグリーン(別名:ブリリアントグリーン)」。キラキラと輝いているが水に溶かすとターコイズ色になり、枝などの粉末を混ぜたことで茶色に変色したヘナに混ぜると、粉末が綺麗な美しいヘナ粉末の緑色に着色されるため、高品質なヘナのように見せかけることができる。
Q:美容師です。最近、ヘナで頭痛があったというお客様がおりました。他社のヘナです。これで、二人目です。ほかのヘナでは痛くなった事はないそうです。何か薬品でも入っているのかと疑っています。やっぱりマハラニヘナにしておけばよかったと。。。
ヘナ頭痛というのも、天然のものでもありえなくもないですし、もちろん、それがヘナに混入されている薬品によるものである場合もあります。現物をみれば、それが薬品入りのヘナかどうかは、ある程度、判別できます。その品質、鮮度、製造工程まで「粉」の状態から、かなりのことはわかるのですが、現物がないのでわからないため、あくまで想像ですが薬品入りだった可能性もあります、というのは……
実はこの数年、ヘナの産地で、ヘナの不作が続いて、それと関係なくもないと考えています。ヘナの不作が、今回の頭痛と、どう関係するかというと、この数年続いている不作の影響でヘナの原材料であるヘナの葉の価格が慢性的に高止まりしている上、今年2019年はさらにひどくなってきているにもかかわらず、インド国内でのヘナの価格は同じで売られている。ヘナの原材料の「ヘナの葉」1キロの値段のほうがインド市販のヘナ1キロの価格よりも高くなっている!という辻褄が合わない事態が発生しているのです。本来は、ヘナの原材料であるヘナの葉の価格があがれば、それを使って製造されたヘナは値段があがるはずなんですが、実際はそうなっていない……。
インド国内では「天然ヘナもどき」が流通している
インドでヘナを使う場合はそれが安全だからという理由ではなく、単に昔から使われてきたからという理由であり、だから、インドで使用される人たちはヘナに安全性を求めているわけではありません。
あるインド人は、まはのヘナより、そこのスーパーマーケットで売られているヘナのほうがよく染まると、サンプルをくれました。これは染まるからいいよと、まはのは染まらないからだめだと言ってきました。でも、インドのスーパーで売られているヘナは、一目で薬品入りであることがわかります。ヘナよりヘナらしく染まるピクラミン酸です。
一般的なインド人にとって、ヘナは「時間がかかるし、匂いが臭い」ということだと思います。、特に若い世代のインド人に聞くと、ヘアダイのほうが綺麗に染まっていいよと、ヘナは手間だし臭いがひどいと……そういう風潮のなかで、インド人にとってはヘナは結婚式や何かの伝統行事の際にメンディアートとして使う程度のものになっているのでは?と思います。ヘナに安全性を求めているわけでないので、逆に多少、染まりを助ける薬品が入っていたほうがいいという考え方があり、ヘナ不作で原材料が値上がりする中で、安易に薬品を混ぜ込む……合理的で当然の判断かもしれません。
ヘナにヘナでない他のコストが安い植物を混ぜ、ヘナよりヘナらしく染まる薬品を混ぜて「天然ヘナもどき」を製造販売することでコストが劇的に改善しますが、慢性的なヘナ不作の状況の中で多くの業者が天然ヘナもどきばかりを製造することが慢性的な状況となり、そうした影響で、日本にも「天然ヘナもどき」が入ってきていると考えています。
インドから中国へ大量の「天然ヘナもどき」が……
それは昨年、ちょっとした事件があって、中国国内で薬品入りのヘナで被害が出たのです。インドから入ってきている天然ヘナに薬品が混ぜられており、これで皮膚障害が発生したため、中国政府がインドからのヘナの輸入をストップさせたと、これは知人のヘナ業者から聞かされました。
このところ、ヘナの産地に行くと、中国人が頻繁にやってきていているのを目撃しました。たぶんヘナを買い付けにやってきている……マハラニヘナを作っているSMHEENA社にも中国なまりの英語をしゃべる中国人がやってきて、「もっと安くしてほしい」「薬品をいれてもっと染まるようにしてくれ」と強気の交渉をしてくるのですが、SMHEENA社は「うちは値段交渉は一切しません」また、「薬品入りは一切製造しません」と毎回断るのが大変だったそうです。
インド向け、中国向け、どれも薬品が入っており、インドの産地ではかなり薬品入りのヘナが製造されてきたわけで、工場は薬品入りのヘナをインド国内、あるいは中国に向けて製造しながら、たまに薬品入りでない、もどきでない正真正銘の天然ヘナを製造する……ただ、何かの間違いで薬品が混入する危険があります。ラインは同じ、製造は同じ機械を使って行われるので、意図的ではないにしても、薬品が何かの間違いでヘナに混入する可能性はゼロとはいえないため、そうした製品が、薬品が誤って混入した製品が誤って日本に入ってきて流通してしまうといった可能性もあります。
まはのヘナ、製品は、化学薬品ゼロ宣言の工場で製造されているので、薬品の心配は一切ありませんので、自信をもっておすすめできます。やっぱりまはのヘナ、マハラニヘナにしておいていただいたほうがよかったと思います。